サステナブルファッションとは?意味や今日からできる取り組み方も詳しくご紹介

By Natsumi Kurata

SNSでも話題の「サステナブルファッション」について「正直、よく分かっていない」という人も多いのではないでしょうか?この記事では、サステナブルの意味やファッションと環境の現状、企業のサステナブルへの取り組み、そして私たちができるサステナブルファッションの簡単な取り入れ方を、ご紹介します!

サステナブルなファッションって?言葉の意味を解説

最近よく聞く「サステナブル」というワード。「よく耳にするけど、イマイチ意味を分かっていない」そんな人も多いはず。ここでは「サステナブル」の言葉の意味とファッション業界におけるサステナブルの意味について解説していきます。

そもそも「サステナブル」とは

まずサステナブルという言葉の解説から。サステナブルとは「持続可能な」「ずっと続けることができる」という意味の英語です。「サステナブルな社会に」といった言葉を目にすることも多くなりましたが、つまりは「持続可能な社会に」という意味です。

特に近年、私たちの住む地球において、集中豪雨や記録的な暑さなどの異常気象が問題となっていますよね。いわゆる地球温暖化が進み、世界中で気候変動が生じています。

また、地球上での急激な人口増加も地球環境を破壊する要因になると懸念されています。(出典:環境省)今後、このまま人口が増え続ければ、今よりさらに環境破壊が進むのではないでしょうか?少し怖いですよね。そうなる前に「私たちの子孫も豊かに暮らし続けていくことができる社会にチェンジしていこう!」と世界中が取り組みはじめたのが、この「サステナブル(持続可能な)」というわけです。

ファッション業界における「サステナブル」とは  

地球全体でこのサステナブルな動きが広がっています。当然、ファッションの世界でもサステナブルの波は押し寄せてきています。SNSや雑誌でも「サステナブルファッション」というワードを目にする機会も増えてきていますよね。

そもそもファッションは生産、着用、そして廃棄されるという一連のプロセスがあります。「サステナブルファッション」とは、分かりやすく言うと「そのプロセスにおいて地球環境や生産に関わる人、社会に配慮した取り組みをしていきましょう」ということです。

ファッションとサステナブルの現状は?ファッションがもたらす環境への影響

実は私たちの生活を彩るファッションが、環境に大きな影響を及ぼしているのはご存じでしたか?具体的にどのような取り組みが必要かを知る前に、新作の服が私たちの手元に届くまでに起こる環境への影響を数字を交えて解説します。

服1着つくるのに大きな環境負荷がかかっている

服が生産される際、原材料の調達から店頭に並ぶまでには長いプロセスがあり、その過程で大きな環境負荷がかかっています。

たとえば

  • 二酸化炭素の大量排出
  • 化学物質による水質汚染
  • 紡績・染色時の水の大量消費
  • ポリエステル製造時の石油資源の使用
  • 天然繊維栽培における化学肥料での土壌汚染

ざっと挙げるだけでも、これだけ多く環境への影響があります。ビックリしますよね。

1年間で着用されない服は一人あたり25枚も

服1枚つくるにも環境に大きな負荷をかけていると解説しましたが、1人あたりなんと、1年間で25枚も着用しない服を所持しているというデータがあります。ちなみに、1年間の購入枚数は18枚、一方で、手放す服は12枚となっており圧倒的に購入枚数の方が多くなっています。(出典:環境省

あなたのワードローブにも眠ったままの服はありませんか?

服を廃棄する際も大きな環境負荷がかかっている

不要となった服の68%がゴミとして廃棄されている現状です。毎日大量のゴミとして廃棄されるのも大きな環境負荷がかかっています。1日でいうと大型トラック約130台分を焼却・埋め立てしている計算になるのです。

ちなみに「廃棄する」以外の不要な服の行き先としては以下があります。

  • 古着として販売・・・・・11%
  • 譲渡・寄付・・・・・・・3%
  • 地域・店頭での回収・・・11%
  • 資源回収・・・・・・・・7%

現状としては、リサイクルや資源として活用される割合はかなり少ないといえますね。

ファッション業界におけるサステナブルな取り組みとは?

そんな現状をふまえ、現在、日本でもこのサステナブルを意識した取り組みを行っているブランドが増えてきています。ここでは、ファッションを供給する企業がおこなう、さまざまな取り組みの中からピックアップした5つをご紹介します。

  1. 長く着用できる服の生産
  2. 受注生産
  3. 環境に関する表示の開示
  4. アップサイクルへの取り組み
  5. 不要となった服の店頭回収

1.長く着用できる服の生産

デザイン、品質、耐久性など長く着用できるような商品企画をする企業が増えてきています。また経年変化を楽しめる素材の活用や、消費者が長く愛着を持てるような「ストーリー性を感じる丁寧な服作り」が脚光を浴びてきています。

今ある1着を1年長く着てもらうだけで、日本だけでなんと4万トン以上の衣類ゴミが削減されることになるのです。

2.受注生産

ファッション業界では先に受注し、売れ行きを予測してから生産する企業も増えてきました。
「より安く、より多く」を求めた結果、大量生産・大量消費となり、結果として大量廃棄につながるという問題が生じています。

ちなみに、2019年時点で1990年と比較すると衣類の供給量は約1.7倍へと増えています。(出典:環境省)にも関わらず、購入量はほぼ変わっていません。つまり、廃棄される量が増えてしまっていることを意味します。

このような現状を踏まえて、企業側も大量生産から適量生産へとビジネスモデルをチェンジしている印象を受けます。

3.環境に関する表示の開示

いくらサステナブルな取り組みをしていても、私たち消費者に伝わらないと意味がないですよね。実際、消費者の約5人に1人が「環境に関する情報を購入時に分かるようにして欲しい」との声があります。(出典:環境省

企業側は商品タグや表示ラベルでのサステナブルな素材の有無の表記など、消費者に伝える努力をしています。

4.アップサイクルへの取り組み

「アップサイクル」というワードはまだ聞きなれないかもしれませんね。アップサイクルとは、不要となったものに手を加え、新たな製品として生まれ変わらせることを指します。たとえば、在庫として残っていたものを染め直し、販売しなおすなどが挙げられます。

アップサイクルで新たな価値を付与し「あっ!」と驚くような製品に生まれ変わらせている企業も存在します。消費者としてはそんな商品を見つけ出すのも楽しいですよね☆

5.不要となった服の店頭回収

サステナブルファッションを推進するうえで重要なのが、処分を減らすこと。最近ではショップの店頭に古着を持ち込める回収ボックスがあるのをよく見かけませんか?実は、これもサステナブルな取り組み。不要な服を回収し、古着もしくは資源として活用すると、ゴミとして処分される場合に比べ1着あたり約0.5㎏の二酸化炭素排出が削減されます。(出典:環境省

そのためにも、気軽に不要な服を持ち込めるスポットが増えることが消費者からも期待されています。

今日からできる!サステナブルファッションを取り入れるポイント5つ

「私たちにできることは?環境に優しいサステナブルファッションを取り入れるにはどうすればいいの?」と気になりますよね。ここでは今すぐできる5つのポイントをご紹介します。

どれも意外とカンタン!商品を選ぶ際や捨てる前にちょっとしたことを意識するだけなので、ぜひ、今日から実践してみてくださいね☆

  1. 長く愛用できる服を購入する
  2. サステナブルな素材を選ぶ
  3. サブスクリプションやレンタルサービスを利用する
  4. 着なくなった服の行き先を考える
  5. サステナブルに取り組むブランドやショップで買う

1.長く愛用できる服を購入する

1着を長く着るのも立派なサステナブルファッションの取り入れ方。新たに服を購入するときには、長く愛用することができるかいったん立ち止まって考えるのも大切です。

先ほども解説しましたが、今持っている服を1年長く着ることで日本全体で約4万トンの廃棄処分を減らすことに繋がります。トレンドのファッションもいいけれど、自分が長く愛用できるそれぞれの「MY定番」を見つけるのもファッションの楽しみ方としてはステキですよね♪

2.サステナブルな素材を選ぶ

服を購入する際のポイントをもう1つ。服を選ぶ際は、サステナブルな素材で作られているかもチェックしてみましょう。

サステナブルな素材とは、以下のものを指します。

  • オーガニックコットン
  • ペットボトルなどを元とした再生原料
  • 単一素材でできた衣類

単一素材とは、綿100%のような1つの原料で作られた衣類のこと。さまざまな素材を混紡していないので、リサイクルしやすいといわれています。また、動物愛護の観点からファーやリアルレザーの商品を避けるのもサステナブルな素材を選ぶ方法の1つです。

3.サブスクリプションやレンタルサービスを利用する

最近では定番となった服やバッグのサブスクリプションやレンタルサービス。これらを利用することも立派なサステナブルファッションといえますよ!

定番の服もいいけれど、今っぽさを出すならトレンド感のある服が外せないですよね。「でも来シーズンには着ない気がする…」そういう時こそ、サブスクリプションを取り入れてみましょう。

また、招待された結婚式やパーティーに出席するためのドレスなど、普段着る機会が少ないものはレンタルサービスを利用することで、ワードローブに埋もれる服を減らすことに繋がります。

4.着なくなった服の行き先を考える

着なくなった服の「捨てる」以外の選択肢を持っていますか?着なくなった服はゴミとして処分する前に以下の行き先を考えてみてください。

(画像出典:執筆ライター自作)



捨てる以外の選択肢として大きく分類すると「古着として活用する」「資源として活用する」の2つがあります。

フリマアプリでの出品、発送が面倒という場合は、まとめて買い取ってもらえる買取サービスを利用するのもひとつの手ですね。

5.サステナブルに取り組むブランドやショップで買う

サステナブルファッションをもっともカンタンに取り入れるには、サステナブルなアイテムを扱っているブランドやショップを利用するのがおすすめです。最近では、日本国内でもサステナブルなブランドやショップが誕生しています。

そういったショップやサイトを積極的に活用することで、サステナブルな取り組みを応援することにもつながりますよ!

”サステナブル”は今後のファッションのカギ!今日からできることを取り入れよう!

ファッションのトレンドは短いサイクルで変わるものの、この「サステナブル」の流れは続いていくでしょう。今後は「地球や環境、ファッションの生産に関わる人にとって優しいか」という点も、ファッション業界や消費者にとって大きなトレンドのひとつになるといえそうです。

今回、サステナブルファッションの取り入れ方をご紹介しましたが、思っていたよりカンタン!と感じた人も多いのではないでしょうか。

「1着を長く着る」「ゴミとして廃棄するのではなくリサイクルする」などチャレンジしやすいことから取り入れてみたり、サステナブルファッションを取り扱うブランドやショップを積極的に活用してみたりと、新たなファッションの選択を楽しみましょう☆

出典:環境省_サステナブルファッション

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